銀座駅から徒歩5分ほど歩いた銀座六丁目交差点の角に、レトロな店構えのビヤホールがあります。中を覗くと、平日休日問わず、サラリーマンやOLたちを中心に、仕事終わりの大人たちの活気で溢れています。ここが噂の、『ビヤホールライオン銀座七丁目店』です。
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このお店は、以前この付近で働いていた私にとって、日々のうっ憤を晴らしくれる、異世界のような存在でした。また同時にここは、130年もの間、銀座のサラリーマンとOLの聖地であり続けた場所であり、珠玉のビールを頂けるビヤホールでもあるのです。さてそれでは今回は、そんな由緒あるビヤホールを紹介いきましょう。
歴史
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1899(明治32)年8月、「恵比寿ビール BEER HALL」が現在の東京・銀座8丁目にオープン。これが日本初のビヤホールです。日本麦酒の社長 馬越恭平のアイデアで誕生したビヤホールは、恵比寿ビールの宣伝が主目的でした。工場直送の出来立て生ビールを味わってもらい、そのよさを知ってもらうためだったのです。 日本初の新型店の名前選びには、英語に詳しい日本人や外国人の知恵を借りました。宣教師の意見で「ビヤサロン」と一旦は決定します。しかし、あるイギリス人から「その宣教師は上品なサロンをイメージしているようだが、横浜あたりではサロンといえばいかがわしい場所。店名には相応しくないので、ホールのほうがよい」とのことで「ビヤホール」に決まりました。規模は35坪、入口から向かって左側にカウンターを設けニッケル製のスタンドを作り、床はリノリウム張り、イスやテーブルはビールの樽材でつくられ、また酒器はガラス製のジョッキで、当時としては極めてモダンな店でした。設計は工学博士である建築家の妻木頼黄氏に依頼し、奇抜な設計にしてもらった、と記録が残っています。
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このビヤホールは、2階建ての煉瓦造りの建物の2階を間借りして開店したにも関わらず、当時有名だった小林習古画伯の壁画を飾るなどとても豪華な造りをした店舗だったため非常に繁盛しました。1日の来客数は平均800人に達しました。遠方から馬車でやってくる人もいたそうです。
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ビールのこだわり
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「銀座ライオン」の生ビールの美味しさの秘密は、一世紀以上受け継がれてきた伝統の生ビール抽出方法「一度注ぎ」。飲食店で一般的に使用しているビールサーバー(ビールを注ぐ器械)は、ビールの液体と泡を別々に抽出するタイプです。この生ビールの注ぎ方は、最初にビールの「液体」を注いでから、最後に作った「泡」をのせます。「銀座ライオン」で使用しているビールサーバーは仕組みがちょっと違っていて、「注ぎながら泡を作る」という注ぎ方にこだわっています。これが伝統の「一度注ぎ」です。まずグラスやジョッキを11~12度に傾け、抽出口から勢いよく出るビールを、グラスの内側面で静かに受けて、左回りの渦を作ります。この瞬間、細かな泡が広がって液体内は白っぽくなります。グラスをビールで満たし、渦の回転がゆっくりになると、液体内に広がっていた泡がビールの表面に上がり、ふんわりとした泡の層ができあがります。「一度注ぎ」のポイントは、注ぎながらグラス内でビールを回転させることにより、余分な炭酸ガスを抜き、雑味を泡に閉じ込めることで、すっきりとしたのど越しと苦みの少ないビールに仕上げます。 「ビールは苦くて飲めない」というお客様からも「銀座ライオンの生ビールなら飲める」というお声をいただくほどです。
職人の技
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繊細な生ビールを美味しく提供するため、温度管理やガス圧、清潔さを徹底しています。さらにビールを注ぎながら泡を作り出す「一度注ぎ」が可能なビールサーバーを設置しています。右手にジョッキ、左手でカラン操作をする。カランの前に自然体で立ち、ジョッキをやや斜めに傾け、内側深くビール通過ラインに注出口を当てカランを開く。ジョッキの持ち方は、中指、薬指、小指で把手を握り、人差し指はジョッキ側面に当てる。このとき、親指はカランレバー先端を軽く押さえている。増えるビール量に合わせジョッキを下げていき、途中から親指を把手上端に移し重くなったジョッキを支える。そして、泡と液の比率が3:7になる寸前にカランを閉め、生ビール完成…もちろん真顔。それから、おもてなしの笑顔でカウンターへ。
メニュー
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サッポロ生ビール 黒ラベル 1977年の発売以来『生のうまさ』にこだわり続けてきたロングセラーブランド。麦のうまみがあって飲みごたえがあるのに、爽やかな後味。何杯飲んでも飲み飽きないうまさは、どんな料理にも相性抜群です。
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ヱビスビール 130年以上に渡り変わらぬおいしさを届け続けてきたヱビス。麦芽100%、ヱビス酵母、バイエルン産アロマホップ、そして長期熟成が特徴です。
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ヱビス プレミアムブラック 炭焼きされた特別な麦芽と、3度にわたって麦芽のうまさを引き出す伝統的な3回煮沸法、吟味された酵母で長期熟成された黒ビールです。
終わりに
いかがだったでしょうか。まだまだ暑い夏は続いています。乾いた喉に、今すぐキンキンに冷えたビールを流し込みたくなったでしょう?そんな時は、銀座の街へ飛び出しましょう。そこには、伝統あるインテリアを備えたビヤホールと、職人技で注がれたビールが、あなたを待っていることでしょう。
★このブログのライター:Ricky★
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出典
・公式HP
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