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東京は新宿、アスファルトひしめく大都市の中心で、オアシスの如く存在する、新宿御苑。
実はここ、世界最大の旅行サイトTripAdvisorの「外国人に人気の観光スポットランキング 2017」で、なんと7位にランクインしちゃうほど、訪日観光客には御用達のスポットなのだ。そして、平日祝日問わず、観光客や現地人で多くの人でにぎわうこの公園には、もう一つ別の顔がある。それは…
あの『君の名は。』の新海誠が、2013年に監督した長編映画『言の葉の庭』の舞台でもあるのだ!!今回は、そんな超人気観光スポット新宿御苑の紹介をしながら、また併せて、
新海ファンにはたまらない、『言の葉の庭』の聖地を巡礼していこうと思う。
ていうか新宿御苑って、そもそも何だろう?
・コンクリートジャングルから、突然の大自然!
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新宿駅の南口から降りて徒歩で10分ほど。甲州街道を右手に感じながら歩く。まさかこの数百メートル後に、巨大な緑地公園があるなんて、見ず知らずの人には想像が出来ないだろう。さぁ、それらしき門が見えてきた。
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・歴史
新宿御苑とは、もともとは江戸時代に信濃高遠藩内藤家の下屋敷のあった敷地だ。そして1879年(明治12年)、新宿植物御苑と銘打って開設され、宮内省(現在の宮内庁)の管理するところとなった。第二次世界大戦後は一般に公開され、現在は環境省管轄の国民公園として親しまれている。
そんな新宿御苑、広さはなんと58.3ヘクタール!周囲3.5kmの園内には、ヨーロッパ式の風景式庭園と整形式庭園、日本庭園があって…
なんとも壮大なラインナップである。こんな巨大な公園が、駅徒歩10分圏内で拝めるなんて…。“映え”を求めてインスタ女子が殺到するのもうなずける。早くその全貌を明らかにしてみたい気持ちもするが、その前に一度、新宿御苑と共に取り上げる、映画『言の葉の庭』の内容をおさらいしておこう!
新海伝説はここから始まった!?『言の葉の庭』の簡単紹介
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・あらすじ
靴職人を目指す高校生・タカオは、雨の朝は決まって学校をさぼり、公園の日本庭園で靴のスケッチを描いていた。ある日、タカオは、ひとり缶ビールを飲む謎めいた年上の女性・ユキノと出会う。ふたりは約束もないまま雨の日だけの逢瀬を重ねるようになり、次第に心を通わせていく。居場所を見失ってしまったというユキノに、彼女がもっと歩きたくなるような靴を作りたいと願うタカオ。六月の空のように物憂げに揺れ動く、互いの思いをよそに梅雨は明けようとしていた…
『君の名は。』では、時空を超えてすれ違う男女を描き、伝説的ヒットを飛ばした新海誠だが、当時から「立場の違う二人の恋愛」をテーマにしていたようだ。
そしてなにより、この監督はどうも「雨」という要素を映画に多く採用する傾向にある。
(『天気の子』では、もはや雨が降りすぎて海になっちゃうのだ!)
彼の中では「雨」×「恋愛」というのが、切っても切れない関係らしい。なんだかロマンチックな感じになるから?地球との繋がりを感じるから?うぅむ、気になる…
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高校一年生で一五歳。靴職人を目指し、日々、バイトをしながら制作活動を行っている。家庭環境もあって、年齢より大人びた性格。雨の日の午前中は学校に行かず、庭園で靴のデザインを考えている。
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・そもそもなんで新宿御苑??
そもそも、なぜ新海誠は今作の舞台として、新宿御苑を採用したのだろう。本人のインタビューを以下に抜粋する。
「僕は出身が長野県なんですけど、ここ10年間は作品ごとに転々と住処を変えていて、最近はずっと新宿近辺に住んでいるんです。新宿の公園や西新宿の風景、繰り返し出て来る電波塔など、シンプルに自分の好きな風景を舞台のモデルにしたいという想いがありました。10年後、20年後、30年後には全く違う風景になってしまうかも知れない。今、現在の風景をフィルムに焼きつけておきたいという気持があったのだと思います。」
彼の作品では頻繁に、「田舎の少年(少女)が都会へやってきて、そこで自身のアイデンティティを模索する」というプロットが取られる。もしかすると新海も、長野から上京してきて目の当たりにした新宿で、同じようにアイデンティティを獲得するのに苦心した時期があるのかもしれない。その当時の強烈な印象を、映画という媒体を使って留めたい、という思いがあったのだろうか…(その時も、雨が降っていたのかなぁ)
アニメの世界へ飛び込もう。“映え”る各エリア紹介
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皆様お待たせしました、ここがまさに、『言の葉の庭』の主人公二人が出会った、
東屋であります!!
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橋の向こうに見える東屋。雨が降った時だけ会える、二人の秘密の場所。
カップルで訪れた際は、このシーンをオマージュした、“映え”写真を撮ってみても良いかも…?
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終わりに
いかがだったろうか。
日本有数の観光名所、新宿御苑。その成り立ちからおススメスポットを紹介し、
またそれに併せて、映画『言の葉の庭』との関係性について触れてきた。
東京の梅雨入りは6月上旬である。あの東屋がある新宿御苑にも、これからたくさん雨が降るはずだ。新海ワールドにどっぷりつかりたい人も、“映え”を求める人も、あるいは純粋に風景を堪能したい人も、是非一度、訪れてみてはいかがだろうか。
(もちろん、晴天の新宿御苑も絶景である)
その他見どころ
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公園の近くには、『君の名は。』の主人公のアルバイト先である、
「ラ・ボエーム」というレストランがある。
チケット・アクセス情報など
・開園時間
9:00~17:30(休園日:月曜日)
※時期によって異なります
・入園料
一般500円/65歳以上・学生(高校生以上)250円/小人(中学生以下)無料
インタビュー記事
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新宿御苑WEBサイトURL
映画『言の葉の庭』公式HP
ラ・ボエーム
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